2019年03月23日

和歌山

インクジェット技術部会の合宿で、和歌山の島精機製作所と花王を訪問。8回目となる合宿のうち、3回が和歌山。和歌山にはユニークなアプローチをしていて、訪問したい会社が多い。
島精機製作所については、シームレスの編み機、つまりホールガーメント機の開発を知っていたし、つい最近、日経ビジネスで島会長の記事を読んでいたので、革新的な技術を世に出した会社という認識だった。今回、訪問で見学したりお話を聞き、良い意味でその認識は間違っていた。
技術革新がいつもイノベーションにつながるわけでは無いが、ホールガーメントは、アパレルのサプライチェーンやビジネスモデルを変える(変えた)可能性、つまりイノベーションのポテンシャルを持っている。
多くの場合、企業が、特にハードウェアで大きな技術革新を起こしても、それが次に起こし得る商流や物流の変化にまでその企業が立ち入らないために、イノベーションが起きない、広がらない事が多い。イノベーションは従来のプレイヤーを取り除いてしまう副作用があるため、既存のプレイヤーは自ら新しい変化には積極的に関わらない。では誰がそれを担うか?勿論先駆者もいるだろうが、技術革新を起こした自らがそこを引き受けるべきであろう。
島精機製作所は、そこに手を打っていた。そこに感激した。
また、100人近い人材を、自らの製品を使ったアパレルのバリューチェーンのモデルに当てているのも驚きだった。出来上がりを商品化してもおかしくない規模とレベルのものを、単にお客様の対応のために備えているとは。お客様の対応と言っても機械の保守ではない。新しく生まれるビジネスへの備えに見えた。
花王にも同じような事例を見た。これは次回。
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2019年03月15日

2.5D

所属学会の年次大会で[2.5D,加飾]のセッションを,他の技術部会と合同で企画中です.ここでは2.5Dはその名の通り,2次元から少し厚み方向に凹凸を持ったプリント物であり,加飾は2.5Dやメタリック含むCMYK以外の色で表現したプリント物と考えています.
各社からこのような多彩な表現が可能になったプリンタが発売されていますが,この技術,市場をデータのワークフローや付加価値からも切り出して,現状の課題や対応を議論しようとしています.
この企画を中心に進めている私を含めた4人が,ワークフローの上流(デザイナ)を何度か訪問し,話を聞いていますが,必ず先方が驚かれる事があります.
それは…私は富士ゼロックス,他の3人はそれぞれC社,R社,KM社だからです.プリンタ業界でこの4社はまさに競合で,2次元では激しく争っている会社の人が,一緒にいる事が不思議に思われるようです.もちろん学会や標準化で競合同士が一緒に活動している事は,別に珍しい事では無いのですが,さすがにこの4社から一人ずつ集まったのは,ちょっと珍しいかもしれません.
2次元の上空で目指す方向を共に探っていく,それで良いのです.
ただ2次元の上空としては,2.5Dは低すぎるかな.
それにインクジェットの2次元でも,競合同士でこの技術を活性化しようとしているのが,私のいるインクジェット技術部会だし.
うまくまとまらない今日のブログでした.
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2019年03月12日

2D,2.5D,3D,そして4D

少し前になりますが,先々週,今年2回目のセミナー講師をしました.今回もテーマはインクジェットと3Dプリンタ,つまり2Dと3D.いつもより長く9時半から5時まで.受講された方,お疲れ様でした.
今,所属学会のコンファレンスで2.5Dの企画をしています.2.5Dの話は別の機会にするとして,2D,2.5D,そして3Dまで私のスコープになっていますが,そんな私に「4Dプリンタ」の話をして欲しいというオファーがありました.
そもそも4Dプリンタの定義はありません.色々な人が色々な事を言いますが,そういう時期なのです.ガートナーのHype Cycle(新興技術領域)にも4Dプリンタが載っていますが,まだInnovation Trigger(黎明期)であり,実態は何かわからないまま期待が高まっている,そんな状況だと思います.昔から4番目の軸(Dimension)は時間(t)(による変化)だ,という事は言われていましたし,最近は物理刺激による形状変化まで含める人もいます.形状を変えるということは,それによって価値を見出しているからであり,私は設立した4DFF研究会のスコープでもある,新たな価値創造を4番目の軸として考えています.そういう説明,事例を,そして価値を提供する機能に関する情報を保持するFAVを紹介するつもりです.
講演は5月末です.どういう反応があるでしょうか.
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2019年02月16日

4DFF研究会

4DFF研究会を日本画像学会内に設立しました.4DFF研究会のスコープは,
「これまでの3D造形・再現技術を超えていく新しい価値創造を目指した研究・開発」
です.
メンバーを募集します.
年会費は2,000円です.メンバーになると,年に一度開催するコンファレンス参加費のメンバー割引,コンファレンスやジャーナルでの発表・投稿資格,研究会やWorkshopへの参加資格を得ます.
4DFF研究会の詳細は
https://www.inkcube.org/sig-4dff/
へどうぞ.
https://www.inkcube.org/
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2019年02月12日

Jet Fusion

HPのJet Fusionの小型化300シリーズ/500シリーズの説明会に参加.
3Dプリンタが本格的生産に向かう中,生産性,材料範囲拡大,あるいは精度や強度に対する課題が大きくなり,これまで標準化の中で分類されてきた7つの方式(いずれも20〜30年前に提案)には分類されない,新しい組み合わせによりこの大きな課題を乗り越える方式,製品が導入されています.
これはIS&TのP4F2017の基調講演でも話し,昨年の論文にまとめたように,インクジェットで商業印刷の大きな課題に対応するため,従来の機能集中型進化(CFP)ではなく,機能分担型(SFP)が起こっており,ここでは新たな組み合わせ,すなわちArchitecturalな試行が必要だと話しました.そしてそれが3Dプリンタにも起きていると.
HPのJet Fusionは数多く起きているArchitecturalな試行の中で,最も成功しているように見え,期待出来るものだと思っています.
で,小型化,カラー対応の580ですが,粉体は従来(4200)と同じPA12ですが,白色度を増すためにTiO2を加えているので,従来機との互換性はありません.
また,Agentも従来通りIR吸収するFusing Agentと,Detailing Agentがありますが,外側0.5mmには,透明のIR吸収剤であるBright Fusing Agent Agentを噴射し,この領域をカラー化します.
消耗品には蒸留水があり,小型化のために粉体を風で送るようにしたため,乾燥防止(静電気防止)のために加湿するそうです.
ラインヘッドが2本,そしてノズルチェックのために紙にプリントする機能がある.
500シリーズは日本では今年の夏に発売予定.
とても期待しています.ただ,ボクセルレベルといつも言ってるのに,ボクセルフォーマットには未対応.FAVに対応して下さい.
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