2019年03月12日

2D,2.5D,3D,そして4D

少し前になりますが,先々週,今年2回目のセミナー講師をしました.今回もテーマはインクジェットと3Dプリンタ,つまり2Dと3D.いつもより長く9時半から5時まで.受講された方,お疲れ様でした.
今,所属学会のコンファレンスで2.5Dの企画をしています.2.5Dの話は別の機会にするとして,2D,2.5D,そして3Dまで私のスコープになっていますが,そんな私に「4Dプリンタ」の話をして欲しいというオファーがありました.
そもそも4Dプリンタの定義はありません.色々な人が色々な事を言いますが,そういう時期なのです.ガートナーのHype Cycle(新興技術領域)にも4Dプリンタが載っていますが,まだInnovation Trigger(黎明期)であり,実態は何かわからないまま期待が高まっている,そんな状況だと思います.昔から4番目の軸(Dimension)は時間(t)(による変化)だ,という事は言われていましたし,最近は物理刺激による形状変化まで含める人もいます.形状を変えるということは,それによって価値を見出しているからであり,私は設立した4DFF研究会のスコープでもある,新たな価値創造を4番目の軸として考えています.そういう説明,事例を,そして価値を提供する機能に関する情報を保持するFAVを紹介するつもりです.
講演は5月末です.どういう反応があるでしょうか.
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2019年02月16日

4DFF研究会

4DFF研究会を日本画像学会内に設立しました.4DFF研究会のスコープは,
「これまでの3D造形・再現技術を超えていく新しい価値創造を目指した研究・開発」
です.
メンバーを募集します.
年会費は2,000円です.メンバーになると,年に一度開催するコンファレンス参加費のメンバー割引,コンファレンスやジャーナルでの発表・投稿資格,研究会やWorkshopへの参加資格を得ます.
4DFF研究会の詳細は
https://www.inkcube.org/sig-4dff/
へどうぞ.
https://www.inkcube.org/
posted by インクジェット at 17:38| Comment(0) | Technology

2019年02月12日

Jet Fusion

HPのJet Fusionの小型化300シリーズ/500シリーズの説明会に参加.
3Dプリンタが本格的生産に向かう中,生産性,材料範囲拡大,あるいは精度や強度に対する課題が大きくなり,これまで標準化の中で分類されてきた7つの方式(いずれも20〜30年前に提案)には分類されない,新しい組み合わせによりこの大きな課題を乗り越える方式,製品が導入されています.
これはIS&TのP4F2017の基調講演でも話し,昨年の論文にまとめたように,インクジェットで商業印刷の大きな課題に対応するため,従来の機能集中型進化(CFP)ではなく,機能分担型(SFP)が起こっており,ここでは新たな組み合わせ,すなわちArchitecturalな試行が必要だと話しました.そしてそれが3Dプリンタにも起きていると.
HPのJet Fusionは数多く起きているArchitecturalな試行の中で,最も成功しているように見え,期待出来るものだと思っています.
で,小型化,カラー対応の580ですが,粉体は従来(4200)と同じPA12ですが,白色度を増すためにTiO2を加えているので,従来機との互換性はありません.
また,Agentも従来通りIR吸収するFusing Agentと,Detailing Agentがありますが,外側0.5mmには,透明のIR吸収剤であるBright Fusing Agent Agentを噴射し,この領域をカラー化します.
消耗品には蒸留水があり,小型化のために粉体を風で送るようにしたため,乾燥防止(静電気防止)のために加湿するそうです.
ラインヘッドが2本,そしてノズルチェックのために紙にプリントする機能がある.
500シリーズは日本では今年の夏に発売予定.
とても期待しています.ただ,ボクセルレベルといつも言ってるのに,ボクセルフォーマットには未対応.FAVに対応して下さい.
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posted by インクジェット at 17:59| Comment(0) | 3Dプリンタ

2019年02月09日

展示会のワクワク感

金曜日,午前は3D,午後は印刷関係の展示会のはしごをした.この5年,いやもっとかな,展示会に行ってもワクワク感をあまり感じないのは何故だろう.
単に歳をとったから? 大きな技術革新が少ないから? 展示会に行かなくてもネットで情報が得られるから? どれも間違いではないと思うが,何かそれだけでは説明つかないものをずっと感じていた.
新技術や新製品を見に行くことだけが,展示会に行く目的ではない.自分(がやっている研究や開発)のポジションや方向性を確認しに行っているという当たり前のことに気づいたら,少しワクワク感がない状況を自分で納得できた気がする.
自分が進めている(進んでいる)方向は正しいとか正しくないとかではないが,確実に同じ方向に向かっている,それがワクワク感を生んでないのではないかと.普通ならそれがワクワク感になってもおかしくはないが,最初の方向性を見つけることの方が自分では優先順位が高いような気がする.同じ流れに乗ってしまったらもう面白くないかも.
それともうひとつ,興味があるところを聞きたくても,わかりきったことから説明されるのはうっとうしい.だから質問したくない.ばりばりの技術者が説明員にいることもあるけど,大概はそうじゃないから.でもそれは仕方がない.向こうは私が誰で,何をしているかなんて知るはずがないから.でもそう思ってしまうのはやはり歳をとったからだろうな.
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2019年02月04日

方言

インクジェットの用語には多くの”方言”がある.”方言”とは”標準語”が存在することを前提にしているなら,標準語がない様々な言い方も各社にはある.
例えば,ノズルからインク滴を吐出しない状態でしばらく放置した後,次にそのノズルから吐出される液滴の飛翔状態(滴速度や方向性)が変ることがある.最悪の場合には不吐出となる.これはノズルからインクの揮発性成分(主に水)が蒸発することに起因する粘度上昇や色材の凝集などが主な原因である.
この現象,あるいはこの現象を定量化する特性のことを私は’Latency’と呼んでいる.他の会社で’発一’と呼んでいるのを聞いたことがあるし,他の呼び名もあるだろう.私の会社では,アメリカの親会社の方がインクジェットの研究が早く始まったこともあり,用語や特性の呼び方はこの親会社の影響が極めて大きい.
コンシューマ市場,オフィス市場を中心としたこれまでのインクジェット開発においては,垂直統合型というか,自社でほとんどの技術を開発しそれをクローズしていたため,用語についても標準語の必要性は高くなかった.
しかし,様々な市場にインクジェットの応用が広がり,ヘッドを中心に各社で開発されていた技術が展開され,コンシューマ市場,オフィス市場で中心となっていた会社以外の技術者がインクジェットに係ってきた現在,用語が異なることは大きな問題になる可能性もあり,これまで以上に注意すべきことであろう.
日本画像学会の「技術用語集委員会」にも所属しているが,「技術用語集」はインクジェット用語のみを集めたものではないのでここに方言を記載するのは難しそうである.2008年,2018年に上梓した書籍「インクジェット」の巻末に記載することも考えたが,各社の方言を集め比較する十分な時間がなく断念した.
しかし,このブログ,あるいはインクジェット技術交流会の取り組みとして,ぜひ,「方言集」をまとめたみたいと思う.
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posted by インクジェット at 14:05| Comment(0) | インクジェット