2019年05月13日

4DプリンタとHype Cycle

次週,4Dプリンタについて講演を行う先方にプレゼン資料を事前送付し,コメントをいただいた.
コメントの中に4Dと言えども所詮3Dの範疇の様に思えるので,革新的な,あるいは夢のある話も加えて頂きたい,というのがあった.
指摘はもっともで,3Dの世界に生きているわけで,4Dであっても3D技術の上に立脚せざるを得ないことは仕方がない.
ただ,単なる延長ではなく,非連続とも言える新規な価値を加える事が4番目の軸だと言うのが私の定義.
4Dに対する過度な期待は,技術進歩のためのリソース獲得には利用すべき時もあるが,気をつけないとコンシューマ用3DプリンタのHype Cycleと同じ事になる.
コンシューマ用3Dプリンタも,産業用3Dプリンタも2016年からHype Cycleから消えたが,その理由は異なる.
コンシューマ用は何でもできる「夢のような装置」の様に誤解を与え,材料の限界,データ作成の大変さから夢のような装置でない事がわかり,第3次ブームは去った.
一方,産業用3Dプリンタは,既存製造技術との単純比較ではなく,3Dプリンタだから出来る価値に気付いた人達により,着実に実用化が進んだ.
もちろん4Dも後者の道を進みたいが,研究を広げるべき今のステージでは,前者のような「夢」を語ることも大事である.
次週は,究極の機能実現と考える臓器再生を,夢の展開として加えるつもり.
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posted by インクジェット at 13:25| Comment(0) | 3Dプリンタ

2019年02月12日

Jet Fusion

HPのJet Fusionの小型化300シリーズ/500シリーズの説明会に参加.
3Dプリンタが本格的生産に向かう中,生産性,材料範囲拡大,あるいは精度や強度に対する課題が大きくなり,これまで標準化の中で分類されてきた7つの方式(いずれも20〜30年前に提案)には分類されない,新しい組み合わせによりこの大きな課題を乗り越える方式,製品が導入されています.
これはIS&TのP4F2017の基調講演でも話し,昨年の論文にまとめたように,インクジェットで商業印刷の大きな課題に対応するため,従来の機能集中型進化(CFP)ではなく,機能分担型(SFP)が起こっており,ここでは新たな組み合わせ,すなわちArchitecturalな試行が必要だと話しました.そしてそれが3Dプリンタにも起きていると.
HPのJet Fusionは数多く起きているArchitecturalな試行の中で,最も成功しているように見え,期待出来るものだと思っています.
で,小型化,カラー対応の580ですが,粉体は従来(4200)と同じPA12ですが,白色度を増すためにTiO2を加えているので,従来機との互換性はありません.
また,Agentも従来通りIR吸収するFusing Agentと,Detailing Agentがありますが,外側0.5mmには,透明のIR吸収剤であるBright Fusing Agent Agentを噴射し,この領域をカラー化します.
消耗品には蒸留水があり,小型化のために粉体を風で送るようにしたため,乾燥防止(静電気防止)のために加湿するそうです.
ラインヘッドが2本,そしてノズルチェックのために紙にプリントする機能がある.
500シリーズは日本では今年の夏に発売予定.
とても期待しています.ただ,ボクセルレベルといつも言ってるのに,ボクセルフォーマットには未対応.FAVに対応して下さい.
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posted by インクジェット at 17:59| Comment(0) | 3Dプリンタ

2019年01月10日

4DFF研究会キックオフ

本日新しい学術団体を目指した研究会のキックオフを行いました.
研究会の名前は「4DFF研究会」.4DFFとは4D and Functional Fabricationの略です.
元々は3Dプリンタが,単に既存製造技術の置き方としての発展だけではなく,3Dプリンタ,付加造形ゆえの複雑形状,コンポジット材料で新しい機能,(4番目の)新しい価値を創造する研究の発表,議論の場を作ろうと始めた活動でした.
2016年に提案したこれまでにないボクセルベースの3DデータフォーマットFAVも,機能発現に欠かせないアウトプットでした.
発表,議論の場として昨年10月に開催した「Conference on 4D and Functional Printing 2018」 (4DFP2018)では,Functional Printingとしていましたが(4DFF2018の発表内容も既にPrintingはごく一部でしたが),今日の議論でPrintingではなくFabricationにする事にしました.
キックオフではスコープの議論に時間をかけました.これまでのどの学会でも中心になり得なかったが,これから絶対に注目され,重要になって行く領域を,この研究会で扱っていきます.
コンファレンス(4DFF2019)は今年も開催します.オープンアクセスの電子ジャーナルも出します.詳細はまた明らかにします.
昨年のコンファレンスの基調講演は落合陽一氏でしたが,今年のコンファレンスの基調講演も,色んな意味ですごい人を予定しています.
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posted by インクジェット at 23:29| Comment(0) | 3Dプリンタ