2019年04月02日

和歌山(2)

革新的な技術を生み出しても,その技術が変える可能があるバリューチェーンやビジネスモデルにまで踏み込まなければ,起こる変化は限定的だと前回のブログで書いた.バリューチェーンに存在するプレイヤは自らそれを破壊する動き(革新的な技術の導入)を起こすことはまれであると.
インクジェット技術を「早い」,「きれい」,「安い」という既存プリント技術の評価軸で評価した場合,全ての軸で優位性を持っていれば代替は(時間はかかるが)いずれ起きる.しかし,これまでとは別の軸に価値が生まれる場合,たとえばオンデマンド対応(多品種,少量対応)という価値があったとしても,従来の価値軸での勝ち負けが重要な決め手になることは良くあることである.ましてや新しい価値がぼんやりとしかユーザー側に見えなければ,なおのこと代替は起きない.もう少し具体的な話をする.画質(堅牢性含む)に関し,既存の印刷を見ている人は,印刷と同じ画質であることを望む.それを最終顧客(クライアント,一般あるいは消費者)が望んでいると信じている.確かに長年の経験からその閾値を引いているから,全てにおいてそれが過剰だとは言えない.市場で絶対に品質問題を起こしてはいけないから,閾値を高くしているのも理解できる.しかし,単に横並び意識が強いだけであるなら,もっと閾値を下げても大きな問題にならないことも現実にはある.
技術の提供者が最終顧客にもなり得る立場であれば,少しばかり冒険が出来る(閾値を下げる)ないだろか.また,新規技術を導入する際に,妥協できる軸も良く理解しているのではないか.花王はインクジェットの技術提供者でもあり,それを享受するユーザーでもある.他が出来ない大胆な試みを期待するし,それが花王へのチャンスにもつながると思っている.
https://www.inkcube.org
posted by インクジェット at 14:38| Comment(0) | Technology
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