2019年01月25日

インクジェット技術のポータルサイト

今年最初の社外でのセミナー講師.テーマはインクジェットと3Dプリンタ概論でした.
2003年に初めて社外セミナーの講師を始めて今年で16年目,明らかにこの数年参加される方の所属に変化が見られます.
最初の頃は参加されるのは,ほとんどインクジェットプリンタを開発されている企業からで,ほとんどの国内インクジェット開発企業の名はあったと思います.ある企業からは,新人教育の一環かと思われるくらい,ある時期毎回多くの若手技術者に参加していただきました.
この16年間で(年間の)参加者総数は大きな変化はないと思うのですが,明らかに所属の多様性が見られます.まったく聞いたことのない会社も増えてきましたし,聞いたことのある会社でもどうしてこの会社(機関)がインクジェット?と思う参加者が圧倒的に増えてきました.
別のコメントにも書きましたが,インクジェット用途がコンシュマー,オフィス用途のプリンタから,産業向け,あるいはものつくりへと広がっている現状をこの参加者の多様な所属が良く現していると思います.
と同時に,セミナーで出される質問に,だんだん明確な回答を出せなくなることも増えてきました.自分の知識や経験,あるいは経験に基づく推測が及ばない範囲まで,応用が広がっているということだと思います.
もちろん,その場で答えられないときは戻って調べたり,もっと専門性をもった方を紹介することもあります.
今も昔も「インクジェット技術を教えてあげる」なんて偉そうな気持ちを持ったことは一度もありませんが,私がインクジェット技術を学ぶ入口なり,様々なところにつながるポータルとしての役目を果たせれば良いと思っています.
inkcube.orgを始めたのもその思いがありました.他の分野の専門家といっしょに,自分の得意な専門性を活かせる領域で,広がりを見せたインクジェットの様々な問題にアドバイスでき,育てることが出来れば良いと思います.
https://www.inkcube.org/
posted by インクジェット at 19:52| Comment(0) | インクジェット

2019年01月20日

インクジェットの市場拡大と課題

金曜日に所属する学会の委員会総会があり,今年度のインクジェット技術部会の活動を報告しました.例年,大きな活動の1つである技術研究会,この10年はインクジェット技術を適用した市場の広がり,応用の広がりをテーマーにした研究会を多く開催してきました.
これまでコンシューマ,あるいはオフィス市場から,特に産業市場,プロダクション市場に参入する際,市場の性格としての大きな違いは3つあると考えています.
1つ目は紙という浸透性のメディアから非(緩)浸透系のメディア含むメディアの多様性,2つ目はプリントされたものが(対価を得る)商材となること,すなわちケタ違いの信頼性の担保であり,そして3つ目は圧倒的な生産性の高さです.そして同時にその市場性の違いがインクジェット技術に与える課題となります.
メディア多様性に対する対応はラテックスインクやUV硬化型インク,2液反応などのインク技術による対応あり,また別の機会で紹介するシステムとしての対応(これを私は機能分担型進化:CFPと呼ぶ)です.信頼性の担保はインク循環システムや欠陥検出・補正技術の導入であり,高い生産性への対応はラインヘッドの採用や乾燥機構が担っている.もちろんこのように対応策をきれいに3つに分類できるものでなく,導入された技術も1つのみならず様々な課題に対応しており,さらに導入されている技術はここに記載したものだけではありありません.
今後このブログでは,インクジェット技術の進化論についても私の考えを書いて行こうと思います.
https://www.inkcube.org/
posted by インクジェット at 11:18| Comment(0) | インクジェット

2019年01月10日

4DFF研究会キックオフ

本日新しい学術団体を目指した研究会のキックオフを行いました.
研究会の名前は「4DFF研究会」.4DFFとは4D and Functional Fabricationの略です.
元々は3Dプリンタが,単に既存製造技術の置き方としての発展だけではなく,3Dプリンタ,付加造形ゆえの複雑形状,コンポジット材料で新しい機能,(4番目の)新しい価値を創造する研究の発表,議論の場を作ろうと始めた活動でした.
2016年に提案したこれまでにないボクセルベースの3DデータフォーマットFAVも,機能発現に欠かせないアウトプットでした.
発表,議論の場として昨年10月に開催した「Conference on 4D and Functional Printing 2018」 (4DFP2018)では,Functional Printingとしていましたが(4DFF2018の発表内容も既にPrintingはごく一部でしたが),今日の議論でPrintingではなくFabricationにする事にしました.
キックオフではスコープの議論に時間をかけました.これまでのどの学会でも中心になり得なかったが,これから絶対に注目され,重要になって行く領域を,この研究会で扱っていきます.
コンファレンス(4DFF2019)は今年も開催します.オープンアクセスの電子ジャーナルも出します.詳細はまた明らかにします.
昨年のコンファレンスの基調講演は落合陽一氏でしたが,今年のコンファレンスの基調講演も,色んな意味ですごい人を予定しています.
https://www.inkcube.org/
posted by インクジェット at 23:29| Comment(0) | 3Dプリンタ

2019年01月08日

足りない英語力を補う論理力?!

本日,朝からアメリカとイギリスをつないだWEB会議.
これまで海外の会社との共同開発,海外学会等での重要ポジション,会議の議長やコンファレンスでの基調講演,主に英語圏ではあるが仕事で実績を残してきたし,周囲からは英語ができると思われているらしい(とっくに見抜いている人もいますが).外国人相手の英語でのセミナーも何度か行った.
実は難聴に近く,特に高周波数帯が聞こえない.人間ドックでも必ずチェックが入る.高い周波数域を多く含む英語のヒアリングには苦労する.
もちろん会社での昇格にはTOIECのスコアが必要だし,それなりの英語力はある.
それでも保持している英語力以上に評価をされ,実績を起こせたのは,論理力だと勝手に思っている.私よりはるかにTOIECスコアの高い人と一緒に会議に出ても,私が主導権を握る.
議論の流れ,相手の主張,聞こえない部分は論理力で補う.もちろんこれがとても危険な,ましては仕事上危ないやり方であることもわかっているし,失敗もある.でも,高音域が聞こえない耳は聞こえるようにはならない.
まだこれから数年は,集中力を研ぎ澄ませたこのやり方に頼るしかない.海外との仕事はまだまだ残っている.
仕事で英語が必要なくなる日が来たら,どんなにホッとするだろう.でもちょっぴりさびしいかも.
https://www.inkcube.org/
posted by インクジェット at 19:48| Comment(0) | その他

2019年01月06日

本年もよろしくお願いします

inkcube.orgの活動を正式にスタートしてちょうど1年が経ちました.
facebookの閉じたグループでは,時折インクジェット,3Dプリンタに関するトピックスについてコメントをしていますが,このブログでもこれらの技術やその他テクノロジー全般について,思うところを記載してみたいと思います.
今年はまず,2016年に慶應義塾大学と共同で提案した3Dデータフォーマット'FAV'のJIS化を実現します.
これまで約半年,JISの独特の表現や決まりに戸惑いながらもJAS(日本規格協会)の助けを借りながら,FAVフォーマット(ver.1.1a)のJIS文章を作成してきました.今年度末(3月末)に提出し,審査,パブリックコメントを経てJISに登録される予定です.
私が所属する会社は,インクジェットのコンシューマ,オフィス向け商品をほとんど出していません.従って(自社製のインクジェットヘッドは全て私が設計しましたが)自分が開発して市場に出た商品はごくわずかしかありません.
ある会社のCMの'地図に残る仕事'ではありませんが,自分の仕事が世の中に残れば素晴らしいと思いますが,残念ながらインクジェットプリンタとしてはあまり残っていないのです.FAVがJIS化できれば自分の仕事として残せるものの1つにになると思います.
2008年に書籍「インクジェット」,2018年に「改訂版インクジェット」の監修・執筆を行ったときもその思いがありました.今年は別なテーマでの監修・執筆に取り組み,2020年の上梓を目指します.新しい書籍の内容については,またこのブログで紹介したいと思います.
今後ともinkcube.orgをよろしくお願いいたします.
https://www.inkcube.org/
posted by インクジェット at 13:46| Comment(0) | その他